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新杉田駅からほど近い場所にある二郎系インスパイア、

「赤ひげラーメン」

ご存知の方もいるだろう。

私は前職時代、横浜市金沢区鳥浜町の事務所に通勤していた。

そして当時、赤ひげにはマジでお世話になった。

5年くらいの間に、100回は軽く通っただろう。

当時の定番は、

大ラーメン、全マシマシ。

20代の私は、そんな一杯を余裕でペロッと平らげていた。

若さとは恐ろしい。

しかも昼からニンニクマシマシ。

今考えれば完全にアウトである。

午後の事務所はニンニク臭で壊滅。

もはや職場環境という概念が存在していなかった。

そんな思い出の場所に、40代となった今、再び足を運ぶ。

懐かしい。

当時の記憶が次々と蘇る。

なんだろう。

少しセンチメンタルになって、胸が熱くなった。

そして何より嬉しかったのが、

赤ひげの優しい店主が、あの頃と全く変わっていなかったこと。

とはいえ、久しぶりに会った感覚は皆無。

なぜなら、ほぼ毎日インスタで顔を見ているからだ。

持ち帰りまぜそばの作り方をレクチャーしてくれたり、クリエイティブな宣伝をしていたり。

これがまた面白い。

そして毎回、めちゃくちゃ美味そうなのである。

そんな投稿を眺めながら、いつかまた食べに行こうと思っていた。

現在、私は全国各地の二郎系を巡る、

「二郎求道の旅」

の真っ最中。

一杯に悟りを求め、今日もひたすら麺と向き合う。

何を悟ろうとしているのか、自分でもよくわからない。

そんな修行の途中で訪れた今回の赤ひげ。

これは単なる再訪ではない。

原点回帰。

私が二郎系を好きになった、始まりの場所なのである。

さて、今回の注文。

・ミニラーメン 150g

・生卵 × 2

・自家製とうがらし × 2

・コール:全マシ

かつて大ラーメン全マシマシを余裕で平らげていた男が、今ではミニラーメン150g。

20年近い年月とは、実に残酷なものである。

まずは生卵2個に、自家製とうがらし2つを容赦なくぶち込む。

混ぜる。

さらに混ぜる。

真っ赤っかの特製つけダレ完成。

もはや生卵なのか唐辛子なのか、よくわからない。

だが、これがいい。

そしてふと思い出す。

あっ!!

カタメお願いするの忘れた!

まあいい。

久々だし、今日はデフォルトでいこう。

そんなことを考えながら、着丼を待つ。

すると、

店主が大鍋からお玉でスープをすくい、器へと注ぐ。

その瞬間。

ふわっと立ち上がる豚スープの香り。

これが凄まじい。

めちゃくちゃ美味そうな香りが、一気に鼻腔を刺激する。

いや、これマジです。

まだ一口も食べていないのに、すでに幸せなのである。

後ろから誰かにいきなり引っ叩かれても、笑顔でいられる気がした。

完全に禅モード突入。

そして、

着丼。

懐かしい。

トルネコの大冒険くらい懐かしい。

あの頃の記憶が、一気に蘇る。

まずはスープ。

一口。

ああ……。

この優しい甘さ。

野菜由来なのか。

豚の旨みなのか。

それとも店主の人柄がスープに溶け込んでいるのか。

とにかく優しい。

包容力のあるスープ。

甘みがありながら、豚の旨みもしっかり感じられる。

重たすぎず、いくらでも飲めてしまいそうな仕上がり。

完飲できるレベルだ。

続いて麺。

デフォルトはやや柔らかめ。

普段ならカタメを好む私だが、今日はこれがいい。

柔らかな麺に、優しいスープが絡む。

なんだろう。

すべてが丸い。

角がない。

カツオの頭の形くらい。

そして豚。

ホロホロ。

柔らかい。

相変わらず最高である。

しばらくは何も加えず、懐かしい赤ひげの味をじっくり堪能する。

優しい甘さのスープ。

柔らかな麺。

ホロホロの豚。

あの頃と変わらない一杯を、ひたすら味わう。

そして、ある程度食べ進めたところで、

いよいよ味変。

卓上の粉末一味を、

10振り。

ちなみに私は、振っても振っても一味が出てこない容器があまり好きではない。

お店側も別にケチっているわけではないと思う。

そもそも、そんなに大量にかけることを想定していないのかもしれない。

しかし、本当に出ないところはマジで出ない。

何度振っても出てこない。

ひたすら手首を上下に動かす。

厨房から見たら、もはや別の行為にしか見えないのではないだろうか。

皆さん、経験ないですか?

その点、赤ひげの一味は素晴らしい。

一振りの出が尋常ではない。

ホットドッグにケチャップやマスタードをかける、あの容器。

その先端が、容赦なく袈裟懸けに切られている。

出し惜しみという概念が存在しない。

それを知っていながら、10振り。

もはや味変というより、赤く染める儀式である。

スープがみるみる真っ赤に染まっていく。

優しい甘さに、唐辛子の刺激が加わる。

甘み、辛み、豚の旨み。

それぞれが絶妙に絡み合う。

そして麺を、先ほど完成させた真っ赤な生卵のつけダレへ。

ダイブ。

凄まじい。

まろやかな卵黄と唐辛子の刺激。

そこに豚の旨みをまとった麺が加わる。

これはもう芸術だ。

箸が止まらない。

そして後半。

さらに追い打ちをかける。

卓上のお酢をぐるっと一周。

甘み。

辛み。

酸味。

豚の旨み。

店主の優しさ。

そして、20代の頃の思い出。

すべてが一体となる。

封印されしエクゾディア、完成である。

(5枚のパーツが手札に揃った瞬間、相手のライフポイントに関係なく無条件で勝利するという、唯一無二の特殊勝利を持つ。)

つまり何が言いたいかというと、

もう勝ちなのである。

何に勝ったのかは知らない。

話を戻そう。

お酢を加えたことで、スープに爽やかな酸味が生まれる。

甘さと辛さがさらに引き立ち、後味が驚くほど軽くなる。

これがたまらない。

真っ赤なスープを一杯。

また一杯。

止まらない。

気がつけば、スープを半分くらい飲み干してしまっていた。

普段なら少し罪悪感を覚えるところだが、

今日はなんだか許せる。

20代の頃、何度も通った赤ひげ。

あの頃は、大ラーメン全マシマシを食べることが当たり前だった。

今はミニラーメン150g。

食べる量も変わった。

仕事も変わった。

立場も変わった。

あれから随分と時間が経った。

それでも、あの頃と変わらない店主がいて、変わらない優しさの一杯がある。

変わったのは自分であって、ここは変わっていなかった。

それが何より嬉しかった。

赤ひげさん。

マジで美味しかったです。

そして、長い間ありがとうございます。

そんなこんなで、ラーメンブログ史上、一番長い記事となりました。

また必ず食べに来ます。

ごちそうさまでした!