人間ドッグ、一年越しの再検査。
保険に入るためだ。
病院は昔から大嫌い。
小学校低学年の時、注射が嫌で、学校から逃げたことがある。
朝、クリニックへ向かう。
会員制。
最先端の設備、名医、至れり尽くせり。何よりも驚くのは美人しかいない。
昼はラウンジで豪華な昼食も用意される。
普通の人はこれで満足するんだと思う。
でも自分が気になっていたのは、
そんなものではない。
二郎。
気づけば、上京してそろそろ20年、
「上野毛」
ラーメン系YouTubeで何度も見た名前だ。
道中で気づく。
「……二郎あるんじゃなかったっけ?」
調べる。
クリニックから300m。
終わった。
いや、始まってしまった。
問診票を書く。
飲酒頻度。
運動習慣。
即アウト。
検査終了。
「近くで用事があるので、車1時間くらい置いてもいいですか?」
美女の受付嬢にあたかも近くで打ち合わせでもある様な雰囲気で少しカッコをつける。
健康を意識しよう、とはならない。
二郎へ向かっていた。
12:30頃到着。
15人ほどの列。
上野毛、通称ノゲジは、妙に優しい。
店員さん達は今までの二郎でも見た目トップクラスにイカついのに、空気はアットホーム。
並びながら調べる。
“カタカタ”
麺硬めの呪文らしい。
でも初訪問はデフォ主義。
迷わずそのまま。
席につく。
周りは次々「カタメ」か「カタカタ」。
後から来た人達のラーメンが、
自分より先に出ていく。
待つ。
かなり待つ。
まだ待つ。
「俺の麺、ずっと茹でられてないか?」
少し不安になるくらい。
そして着丼。
この日のコールは、
ニンニク、ヤサイマシ、カラメ。
まずスープ。
……優しい。
非乳化寄り、だが尖ってない。
すごく甘さがある。
そして麺。
今までのどの二郎よりも柔らかい。
でも嫌な柔さじゃない。
小麦の塊が、
ゆっくり胃へ落ちていく。
まるで病み上がりに食べるべく物だと言わんばかりの優しさ。
アブラが身体に染みる。
ただ、本当は大のカタ麺好き。
なるほど。
“カタカタ”か。
みんな着席するやいきなり提供されていた。
食って理解した。
でも考えてみれば、今日は特殊状態だった。
前日は意味があったのか再検査対策でサラダだけ。
10年ぶりの休肝日。
去年の人間ドッグ前日は、
採血数時間前まで飲んでいた。
本来、人間ドッグは健康と向き合う日だ。
採血の途中、
「ニンニク入れますか?」
幻聴がした。
途中から唐辛子を大量投入。
汗がじわじわ出る。
あっという間に完食。
店を出る。昼の日差し。
オールした後、カラオケを出た感覚。
そして思う。
次のノゲジは、カタカタ。
……いや。
またデフォで行く気もする。
長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回初訪問でした。
今まで食べた直系二郎とはかなり違う印象。
丸い麺。
甘めのカエシ。
優しいスープ。
めちゃくちゃ柔らかい麺。
好みが分かれる二郎だと思う。
次はカタカタ!!












