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韓国・慶州。

観光地として有名なこの街には、
派手さとは真逆の、
“静かに深い飯”がある。

今回入ったのは、
70年伝統を掲げる
「시골쌈밥(シゴルサムパプ)」。

“쌈밥(サムパプ)”とは、
葉野菜で包んで食べる韓国の定食文化。

ご飯、
味噌、
キムチ、
ナムル、
海藻、
漬物。

大量の葉野菜と、
無数の小皿。

そして、
それぞれを自由に包んで完成させる。

この料理、
何か一つが主役という感じではない。

全部で一つ。

それが面白い。

特に美味かったのが、
牡蠣のキムチ。

濃厚な牡蠣の旨味に、
発酵した辛味と酸味が重なる。

白米を少し乗せて、
葉野菜で包むだけで完成する。

そして、
真ん中にあった黒いやつ。

最初なんだこれと思ったら、
まさかのタニシ。

韓国では
「우렁쌈장(ウロン・サムジャン)」
と呼ばれる料理で、

タニシを味噌ベースのサムジャンに混ぜた、
韓国の伝統的な“包み飯”用のおかず。

独特のコリコリ感と、
土っぽい香り、
濃厚な味噌の旨味。

最初は少し構えるけど、
食べると妙にクセになる。

えごまの葉の香り、
葉野菜の苦味、
テンジャンの重さ、
キムチの酸味。

全部まとめて包み込んで、
一口で叩き込んでくる。

韓国料理って、
刺激の強さが注目されがちだけど、

こういう“包んで完成する料理”を食べると、
韓国の食文化の奥深さを感じる。

豪快なのに、
どこか静か。

派手じゃないのに、
記憶に残る。

こういう店に入ると、
「韓国来たな」
って実感する。

そして結局、
包みすぎて口に入らない。

それもまた、
サムパプ。