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ことあるごとにインスタに登場する彼は、チャッピーが作り出した私だ。

今回は、彼のコンセプトや、いかにチャッピーが優秀かという話はいったん置いておく。

20年ぶりとも言われる円安水準。

2025年現在、ユーロは180円台、我々を含め、欧州からの調達を前提にしている企業は、これまで以上に慎重な判断を迫られる局面に入っている。これは単なる為替の問題にとどまらず、世界の産業構造そのものが、数年前とは大きく変化していることの表れでもある。

そこに追い打ちをかけるのが、コロナ禍以降に加速した実質的なインフレである。

鋼材、電子部品、油圧部品、輸送コストなど、主要コンポーネントの仕入れ価格は世界的に上昇傾向が続き、各メーカーも「原価上昇によるやむを得ない値上げ」と、「市場環境を背景とした実質的な価格調整」が混在しているのが実情だ。

特に建機の分野では、かつて「安いが品質は今ひとつ」という評価が一般的だった中国メーカーが、ここ数年で目覚ましい進化を遂げている。

設計、素材、溶接精度、油圧制御、電装系に至るまで改善が進み、アジア・中東・アフリカのみならず、欧州市場でも一定の評価と実績を積み上げつつある。

実際に当社でも中国製機械を導入し、運用している。

ジャパニーズクオリティと比較すれば、細部の作り込みや仕上げに差は残るものの、実用面においては十分に戦力として成立しており、「価格と性能のバランス」という観点では、極めて競争力の高い選択肢になっている。

現場で求められる仕様を理解したうえで製品を作り込む体制も年々整い、クオリティそのものが着実に向上している。現在では、アジア・中東・欧州・アフリカの多くの現場において、中国製が主力機として稼働する光景も、決して珍しいものではない。

そうした市場環境の中で、改めて問われるのが

「それでも、なぜ欧州製を選ぶのか」という問いである。

答えは決して単純ではない。

性能、耐久性、ブランド力といった表面的な要素だけでは、語りきれない世界がそこにはある。

欧州メーカーの多くは、厳格な安全基準、長期運用を前提とした設計思想、部品のトレーサビリティ、環境規制への対応など、思想と制度の積み重ねの上に製品が成り立っている。

一方で、部品供給やアフターサービスの体制が、地域によって不安定なケースがあるのも、また現実である。そして、そこにこそ商機がある。

弊社のバイブロのアフター体制も、こうした課題と真正面から向き合いながら、長い時間をかけて築き上げてきたものである。

付加価値とは何か。

それは、日本製にはない欧州の性能を、日本のメーカーから買うのと同等のアフターサービスで提供することにある。

物作りをしない我々の役目は、お客様が安心して機械を導入し、運用できる環境を実現することだ。

パーツを在庫し、代替機を用意し、万全の体制を整える。その積み重ねが、我々の存在価値だと考えている。

しかし、何より重くのしかかるのが、為替とコストの問題である。

ユーロ高・円安が長期化する中、調達コストは確実に上昇し、設備投資の意思決定におけるハードルは、数年前とは比べものにならないほど高くなっている。

中国メーカーは、スピード、価格競争力、現場ニーズへの適応力という明確な強みを持つ。

現在の建機市場においては、もはや「代替品」ではなく、「真正面から競合する存在」として位置づけられる段階に入っている。

結局のところ、どちらが優れているかという、単純な二択の話ではない。

現場条件、用途、リードタイム、サポート体制、国ごとの法規制、そして将来の設備戦略。

それらすべてを総合的に見て、各社が自らの最適解を探す時代になっている。

ユーロ180円という数字は、その判断をいっそう難しくする。

しかし同時に、「何を基準に選ぶのか」という、自社の軸をあらためて問い直す機会でもある。

どの国の製品を扱うとしても、変化のスピードは速い。

固定観念に頼るのではなく、事実と実績を見て判断すること。

為替、技術、国際環境、すべてが大きく動いていく中で、

自分自身の基準をしっかり持ち続けることの大切さを、あらためて強く感じた一日だった。

そしてまさに今、このブログを書きながら、1週間のヨーロッパ出張を終え、

オランダ・スキポール空港でそのインパクトを噛みしめている。

そして今、こうして一杯10ユーロの生ビールを飲みながら。

次回はヨーロッパ出張のブログです!
また見に来てください。
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